scene008

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「鈴城くんボクに会えるの楽しみにしてたの!?」 自分の中の明るさを目一杯詰め込んだ声を出し、苦し紛れの満面の笑みを向ける。 「してないです!貴方も渚の言葉にそんなにすぐに騙されないでください!そんなんだから生徒にからかわれるんですよ!」 「からかわれたことなんて無い!」 「気付いてないのですか?さすが如月先生鈍さは健全ですね?安心しました」 「何それっ、」 一条くんの手が鈴城くんの肩に乗っかってボクの口は閉じた。 「お前、照れると口悪く饒舌になる癖直した方がいいな?如月先生ヘコみやすいんだから気を付けろよ」 いえ、とても元気です。とても。 「それに昨日は実際遠足前のこどもみたいにウキウキしてただろ?」 「してません!」 「してた」 この光景を神様に感謝して拝もうとしたら、思いっきり一条くんを睨み付けた鈴城くんが「もう帰ります!」と逃げようとしていた。 ボクにしては反応早くその腕を掴み、居心地の悪さや恥ずかしさを隠そうとする鈴城くんに視線を合わせる。 「鈴城くんお茶しよう?」
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