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「君達は教育者という自覚があるのか!?」
そう始まった国語団の教科長の、いや今は学年主任としての説教は止まらない。体育祭の翌日に呼び出されたボクと灰。時間帯的に眠さも持っての説教だったがあまりの教科長の熱と迫力に眠気は吹っ飛んでいった。
そう言えば、灰は次期教科長として育てられてるんだもんな。そりゃ厳しくもなるのか。
「如月先生聞いてるのか!?」
「は、はい。勿論です…」
急に怖じ気づく教科長に隣りを見ると、当然の如く教科長を睨み付ける灰がいた。服の裾を引っ張り宥める。
「君達の今回の行動は些か教育者とはあるまじき……本来先導者として生徒を……」
教科長は同じような事を違う言葉を使って繰り返しツラツラと言葉は終わらない。ここまで長引く説教で同じ言葉を使わない教科長の語彙力に脱帽だ。脱帽するから帰してほしい。
チラリと隣りを盗み見ると、意外と涼しい顔の灰がいた。もう少しというか不機嫌全開の表情を想像していたのでびっくりした。何を考えてるのか分からない。教科長の説教を真面目に聞いてる訳でも無さそうだが…。
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