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「…喜ばせたくないので絶対に」
「ムキになる如月先生だと!!?シャ、シャッターチャァァアンス!!!!」
パシャパシャとエアカメラを連写する夏くんからソファーにあるクッションで顔を隠し逃れる。それにしてもシャッター音がうるさい。
「撮影NGですか…でも俺の心のカメラには しっかりと写せフゴッ!」
手元にあったはずのクッションが何故か夏くんの顔面にヒットしていた。おかしいなぁ。
「…コントロール良くなりましたね如月先生、さすがですぞ」
クッションは柔らかかったからか中々復活の早い夏くんはいらぬところを褒めてくる。
「……灰も夏くんから色々ボクの事一方的に聞かされてると思うし、手紙は止めとく。それよりも今日も仕事持ってきたんでしょ?ボクもやらなきゃだから真面目モードに切り替わろ?」
はっ!?と大げさに目を見開いた夏くんが持ってきていた書類を見て倒れた。
最近夏くんへの仕事配分が多い気がするのはボクの気のせいだろうか。それとも……。
止めた。と無意味な考えを振り払って思うように進まない仕事にボクも取り掛かろうとする。向こう側のソファーで夏くんが終わらないと泣き叫んだ。
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