scene009

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「…伝書鳩って、配達員でも運び屋でも良いだろ?なんで積極的に人間辞めんだよ」 「運び屋って、ホスト教師は全く物騒ですぞ?てかそんな細かい所気にしないでくださいよ!その前にその大役を俺に託してくれるんですか!?託してくれないんですか!?そこ重要ですぞ!!」 ホスト教師の目に疲れが見える。 「…取り敢えずはお前に一任するが、まぁ様子見てな。雪に手紙を渡す時間は俺が授業してる時。その授業の時間内は保健室に居座って雪の話し相手になってろ」 「なるほど、ホスト教師が動けない時間。如月先生に良からぬ事が起きないように俺が周りを監視するわけですね?おーけーですぞ!!任せて……でもそんなに何時間も俺抜けても大丈夫なんです?しかも古典」 俺の脳裏に如月先生とのお茶タイムを音速で超えていく期末考査での古典の赤色が危険信号を発信している。 次赤を取ったら最悪の事態も考えておけという目の前のホスト教師様からのお告げもあった。生徒会役員が続けて赤点を取るまたは留年など前代未聞だ。ブルッと冷えた身体が震えた。 「底辺を更新するのはまずいですぞ…」 「お前は授業受けてても基本底辺だろうが」 全くもって悪びれもしないホスト教師の言葉に温かな汁が目から流れ出しそうになる。 「あと仕事が無けりゃ授業免除も使えねぇから、授業に出ねぇ代わりに他の生徒会役員の仕事を半分お前に回してもらう。それでも良いなら伝書鳩になるか?」 「なります!!ならせてください!!」
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