scene009

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殆どヤケクソな俺の叫びをホスト教師はいたく気に入って、これまたご機嫌よろしく俺の髪をガシガシと掻き回した。 あぁ、素晴らしく笑顔ですぞ…。 「よし、今日からお前は伝書鳩だ」 「喜んでお受け致しますぞ!!!ポロッポー!!!」 ホスト教師にしてみれば如月先生が第一優先。俺の古典の成績や留年なんてそれこそ優先順位は底辺なのだろう。あれ、何かが頬を伝うぞ?おかしいなぁ。 「手紙の受け渡しと手紙を届けてからの報告は此処でやる。で、自分で勉強してて分からない所があればその時間内のみ質問を受け付ける。分かるよな?意味」 「了解ですぞ!!!有り難き幸せ!!」 その後は手紙をいつ取りに行けば良いのか、如月先生の様子チェックポイントなどの細かい流れを聞き俺は古典資料室を後にした。 「…怒られなかったけど」 エラいことに巻き込まれている。なる程これが巻き込まれ脇役ってヤツか…。ハッ!フラグが立ってる!? 壁にぶつかる勢いで身を隠し辺りを見渡したが、視線を不自然に逸らす一般生徒達しかいなかったのでホッと肩を下ろす。 ホスト教師がなんで如月先生から離れる事を承諾したのか、その疑問を解決するまで俺は自分の成績を犠牲にしてホスト教師の伝書鳩を喜んで勤め上げる事にする。 「如月先生のためかぁ…さすがホスト教師ブレない。でも意味が分からないですぞ。如月先生のため、如月先生の………よし、取り敢えず如月先生の様子でも見てきますかっ!」 ルンルン気分で保健室に行き、そこで救急車が必要なくらいの落ち込み具合を見せつつ過去最悪に機嫌の悪い如月先生を見て俺はホスト教師を罵倒し、数秒後土下座した。 side 青葉夏 end
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