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写真は何度も何度も心を曇らせ、その雲は重ねる度にくすんだ色をボクに背負わせた。
でも、やっぱりどこかおかしい。これくらいの記事でここまでの苦痛を感じているのは、どう考えてもおかしのだ。
写真も言葉の選び方を見ても、灰とボクの例の件から派生した話題作り。根拠も薄いゴシップ記事だ。そこまで理解しても尚こんなに傷付いているのはどうしてだろうか。
なんだか自分の気持ちが自分でコントロール利かなくなったみたいだ。
「…どうして」
空気になりかけるボクの言葉に被せてきたのは委員の怒りを含んだ声。
「本当に最悪な部活ですよ!情報部!!如月先生の繊細さが分からんかね!!何してくれてんだ!!」
「もうここは保健委員会もとい先生2人を温かく見守ろう会が制裁をっ!」
立ち上がった委員たちはみんな目に熱がこもっている。
「それだと俺たちが如月先生の親衛隊と勘違いされるだろ?教員に対して親衛隊の結成は認められない。変に動いて誤解されたらこの委員会まで解体させられそうだ」
ボクが口を開こうとしたら堤くんが先に委員のみんなをたしなめた。本人も大分ブレやすいのに最近は自分が保健委員会の芯であり先導者だという自覚が出てきたようだ。
「ありがとうございます。委員長さん」
ごく自然な微笑みを掛けてきた堤くんは珍しく腐男子スイッチが切ってあり、それこそ委員長の顔をしていた。
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