scene009

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反応の遅れたボクはソファーに座りっぱなしで、あっ態度悪く見えるかも…。と薄い心配事が浮かんだ。 風紀委員会を率いているのは勿論風紀委員長である秋くんで、いつもと雰囲気の違う彼と視線が合い目を伏せてしまった。 全く予期せぬ訪問者にみんなが身構えている。自分の持ち物を必死に守ろうという意識が強すぎていて逆に物凄く怪しい。ボクは大体みんなの守っている鞄の中身に予想が付くけれど、もう少し自然に振る舞えないものか。 ほら、風紀委員が不審がってるじゃないか。 「風紀委員会が何の用ですか?こちらは委員会を行っている最中ですので、申し訳ございませんが用件は後ほどお聞きしたい」 「それは、出直して来いと言っているのか?堤」 あの堤くんが風紀委員長と対面し、物怖じせずに啖呵を切っている。 我らが堤委員長様が風紀委員会の目を全て自らに集め、出来た隙に保健委員のみんなは鞄を保健室奥の一カ所に固めて集団で守っている。 だから明らかに不自然だってば。…あぁ、そうかバレる時はみんな一緒の共倒れか。こわいな。 風紀委員長である秋くんと保健委員長である堤くんの睨み合いがとても静かに続いている。
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