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ニッコリと誤魔化すように微笑むと正直に困惑気味な風紀委員会。
「成瀬先生の指示でも生徒会の指示でもボクは辞退願いたい。今まで風紀が教員を警護なんて聞いたことも無いですし、親衛隊の結成を認められていないにも関わらず風紀が直接護衛にあたることがまず疑問です。正直に言いますと、所詮こどもの君たちに護られたくはありません」
作り笑みと理解してもらえる程度の表情を付けて、大きな拒否を見せる。
「しかし…」
「ボクにもプライドがありますよ?」
詰まりそうな重い空気。そろそろお帰り願おうかと言葉選びをしていると、ガラガラと扉が開き新鮮な外気を運び入れてくれた。
「え、」
ボクの戸惑いの声はすぐに床に落ちてくれたので、誰の耳にも入らない。
保健室内に入ってきたのは桐生くんだった。暫く見ないうちに随分と大人っぽく見える。
って、寡黙大型ワンコが何故ここに!?あれ?風紀の徽章つけてるよ!?はっ!?美波くんは生徒会だし、今年の風紀は攻め属性か……。すごい。
ボクの頭の中が若干お祭り騒ぎの間に桐生くんが秋くんに目配せをする。
「あぁ、そろそろ時間か…如月先生、今回の件もう少し考えてはいただけませんか?俺らも辞退されましたでは許されないんですよ」
桐生くん、ずっと保健室前で立ってたのかな?SPみたい、身長高いし強そうだもんな…と観察していたらソファーから腰を上げ風紀を引き連れた秋くんが困ったように眉を下げていた。これはずるい。
スッと呼吸を意識して頭を正常に戻す。使う言葉は選択として間違っている気もするが、ボクの口は止まらなかった。
「嫌です。そんなに心配ならコソコソ風紀に頼まないで、自分で守りに来い、って伝えてください。大元の指示した人に」
目を見張る風紀に出来るだけ挑発的な色を自分に塗りたくって見せた。
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