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チラッと教科団を纏める灰の姿が簡単に脳裏に浮かんだ。
「的外れな事はしていないし、本来自分の科目以外は薄手になってしまうが、そこも良く見えている。というより現代文、漢文、小論の方に力を入れてるように感じる。まぁ古文は元々リーダーにしていたから好き勝手は範囲内で出来てたのだろう。こちらも逆に勉強になるくらだよ」
「…そうなんですか。凄いですね」
面白みの無い感想が出てきた。それよりもこの話題はまずい。早くなんとかしないと。
「まぁ生徒会長をしてる時からトップに立つ力があると感じていたしな。補助があんなに機能しない生徒会は初めてなのに、あそこまで学園を纏め上げた生徒会長もいないだろうな」
「……すみません」
どさくさに紛れて失礼な言われようだ。でも事実なので気持ちを抑える。
「私の目に狂いはなかったという事が分かって良かったよ。今はバタバタしているが慣れれば今の方がやりやすいだろう。それにしても不満をもらす先生方がいない事が凄いと思わんかね?自分より年上の先生が多い筈だが当たり前に従えてしまう成瀬先生の気質には本当に驚くよ」
もう耐えられず、まだ口を開こうとする教科長の言葉をぶった斬る。
「あの、会いたくなっちゃうので成瀬先生の話しは止めていただけますか?」
「君は本当にストレートに言うね」
当たり前だろう!こっちは必死で我慢してんだから!
今睨んでも許される気がした。
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