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弓槻ちゃんが横断歩道を渡っていると大きなトラックがつっこんできた。
ブオオオオオオオオッッッッ
僕の前で轟厳が叫ぶ。回りの人は叫びトラックの運転手は眠っているようだ。
幸い、僕は死なない。後ろにいたからね。でも、心地よくないな。だって、目の前で大勢の人が死んで、僕だけが生き残るなんてさ。
だからさ、こうするよ。
不思議と足は重くなかった。
ドンッッッッ
僕は立ち止まってすくんでいる彼らと弓槻ちゃんを横断歩道から押し出した。
「えっ!?何で……?」
突然のことに驚く弓槻ちゃんと取り巻きたち。
弓槻ちゃんは気づくのが早かったな。
ガクガク……
あれ?今更になって怖くなってきた。
涙も止まらない。死にたくない、嫌だ
嫌だ。助けて、僕はまだいきたい!
あれ、足が重たくて動けない。
仕方ない?よね。
「弓槻ちゃん、元気で──────」
僕は最後に自分が踏み潰される嫌な音を聞いて死んだ。
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