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弓槻side
私の目の前で志倉蓮(しくられん)が死んだ。蓮が死んだ?
たった今の状況が飲み込めず足だけが勝手に動く。
「れん、蓮?嫌だ、私がいないとダメじゃないか?だから私のそばを……ヌチャ」
私は見たくないものを受け入れたくなかった。足がなにかを踏んだ。
ゆっくりと下を見るとソコには蓮の踏まれ引きちぎられた足が転がっていた。
後ろから厳くんが私の肩を掴んで胸元に引き寄せる。
「これ以上見るな。目の毒だ」
「うわああああああああああああ!私のせいで!蓮!蓮んんんんーー!」
足の裏には蓮の足の感触が生々しく残って死んだのだと更に認識し直した。
「やだよ、蓮がいないと私は──」
震えながら私は意識を失った。そして目覚めたときには病院だった。
弓槻side out
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