死んだはずじゃあ

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『まず、あなたが地球で死んだ後のお話について。あなたが死んだのは私が管理する“生命の蝋燭”の火が消えたとかそういう手違いではありません』 いや、誰もそんなこと思ったりしませんよ。 『先代の神様とかがそういうミスしたりして、もうテンプレ転生って呼ばれるくらいのミスしたの。死んだけどファンタジーな世界に連れてってもらえるから、とかね。そういうの』 テンプレ転生……テンプレって、どんだけ間違えたんだ!?全く、いなくなって困る家族のことも考えろよ…………?家族のことも?………………。 『・・・家族のこと、知りたいですか?』 まあな、知りたいよ。僕はまだ子供だ。親より先に死ぬなんて本当なら地獄行きが当たり前だからな。 『やはり、私の目に見間違いはありませんでした。自分を犠牲に他の人を助けたり、転生できると聞いても家族のことを思い出す。無欲なのも好印象ですね、特別にあなたを少しの間だけ、 葬式の日に連れていってあげます』 うわ、神様にめっちゃ褒められた。 でも、それは良いけどバレないか? 『容姿の事ですね。容姿については大丈夫です。あなたには転生した世界と同じ容姿でいってもらいます。姿はどうしたいです?』 転生した世界ってどんなところ? 『剣と魔法の世界ですよ』 魔法、僕の中二病心がくすぐられるなあ……。バレないようにするのも苦労したんだ。弓槻ちゃん、病気とか言うんだからさ。 『良かったですね。その弓槻という方はとてもあなたの死を自分のせいだと塞ぎ混んでます。ですが、だからと言って葬式で彼らや彼女たちに干渉しては行けません。あくまでも知人のふりをしてください』 うん。弓槻ちゃんは責任感強いからね。でも、少しくらい話を聞くくらいなら良いでしょ?バレないようにするから。 『分かりました。それくらいなら、許します。でも葬式の日はあと2日ほど先になります。さあ、容姿で希望はあるのです?』 いや、剣と魔法の世界なんでしょ?なら、髪の毛の色や体格とかそんなんも僕たちの世界とは違うんじゃないの? 『それもそうですね、あなたには何らかの特典として希望する属性とか付与して差し上げようかと思ったのですけど、まずはそれから決めましょうか』 はい。
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