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指導生に連行されて入った1組の教室は、クラス別ではなくM科の学生が集められていた。
「桜谷さんやね、まあ座って」
空いた席に腰を下ろす。
先ずはこれから最も時間を共にするであろう同学科のメンバーとオリエンテーリングをするらしい。
「改めまして、新入生の皆さん。
入学おめでとうございます。」
各自の自己紹介の後に始まった、学科長からの挨拶。
人の良さそうなジェントルマンに、陽凪は安心して気が緩む。
「君達は今日から高校生ではなく、高専生になった訳だけど。
君達の大半は将来、エンジニアとして日本国内外で活躍する人材になります。」
一流大学を卒業出来たから、一流企業に就職出来る訳ではない。
しかし高専は、工学系の一流企業への就職率も高く、四年制大卒よりも高度な工学技術・専門知識を得る事が出来る。
それを理由に、高専に入学した学生も多かれ少なかれ居る。
「でもそれは、無事に5年まで進級して、卒業出来たら、の話」
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