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その話が本当であれば、今朝走っていた人物は恐らく陸上競技部員。
明日の部活紹介で会えるかもしれない。
「陸上競技部、かぁ…」
「てか、陽凪走れるが?
中学で陸上やりよったとか?」
「ううん、中学の時は何もしてなかったから。
イマイチ部活って言われてもピンと来ないんだよね。」
中学時代は部活に所属せず、放課後は家まで寄り道しながら帰るのが日課であった。
通学路は舗装されていない山道で、季節ごとに咲く自然の草花と、時々顔を見せる野生の動物たちの住処が点在する風景。
幼い頃から歩き慣れたその道で、いつも暗くなるまで遊び回り、春には「イタドリ」、秋には「栗」を採取して、家に持ち帰って夕食のお供にした。
しかし、寮に入ってからの通学路は、キャンパス内と学生寮とを挟む小さな交差点のみ。
通学時間は10分足らずに短縮された。
これでは放課後の時間がかなり暇になる。
「やったら陸上競技部、見学したらええがやない?」
「見学?」
「てか、今昼前やし、まだその人グラウンドに居ったりして。」
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