第1レーン*憧れのフォーム

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という表向きの理由はさておき。 出身地でもない四国地方、敢えて近隣の高校や高専ではなく香南(こうなん)高専に決めた本当の理由はたった1つだけ。 此処は空港と隣接していることで有名で、常に航空機を見られるからだ。 しかも、学生寮は滑走路が一望出来る大特等席。 田舎町で育った陽凪にとって、飛行機というのは芸能人的存在らしい。 大好きな飛行機に会うために、 いや、毎日の鑑賞を楽しむために。 そんな不十分な動機で親の反対を押し切り入学したものの、親元を離れて入った学生寮は思った以上に厳しいものだった。 時間制限の寮生活。 校舎(キャンパス)すぐ近くとはいえ、朝から飛行機に見とれて、只今遅刻確定のフラグを立たせている。 大急ぎで玄関に出ると、既に制服姿はなく、誰も居なかった。
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