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狛江先輩が伸びをした。
「狛江、コースの確認が先だ。」
八王子先輩が言う。
この遠足の班でも八王子先輩がリーダー。
三年生が八王子先輩一人だから必然的にそうなるのかもしれないけれど
「八王子先輩って、リーダーという役職にご縁があるのですね。」
「ああ、八王子先輩はそういう星の元に生まれてきたのかもな。どこ行っても長とかやっているもんな。」
狛江先輩が言う。
「偶々だろう。」
そう言って先輩は地図を開く。
「森周りか…。」
「え、まじっすか?ご冗談でしょう?」
「森回りって、何かあるのですか?」
「ん~、各班のコース内で一番遠回りだって言われているんだよ。森の中を通らずに周りを森沿いに歩くから。一番不人気なコース。」
「えぇ!俺やだなぁ。」
「地図も確認したし、さっさと出発するぞ。」
私たちは校門を出て歩き出した。
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