6月

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静かでのどかな空気。 街方面には何回か行ったことがあるけれどこっち方面に来たのは初めて。 新鮮でいい感じ。 私たちの他にも森方面にあたった班がちらほらといた。 「金属類はこっちの袋に入れよう。」 先輩が一年生の男子の質問に答えている。 「本条!あまりふらふら遠くに行くな。」 「ごめんなさい。でも、ほら!先輩、たんぽぽ!」 私は道の端にタンポポがたくさん咲いているのを見つけた。 黄色いタンポポの花びらが緑色の中に美しく咲き誇っている。そのなかには白いふわふわとした綿毛を付けている者もあった。私は綿毛のついたタンポポを一つ、摘んできて先輩に見せた。 「まったく。しょうがないやつだな。」 先輩はそれを見てふっと笑った。 その笑顔はやさしくてゆったりとしていて。 私、この笑顔が好きだな。見ているだけで胸のあたりが温かくなる。 ふぅっと息を吹きかけて、たんぽぽの綿毛を空に飛ばす。 そよそよと風が吹いてきて綿毛を連れて行った。 先輩と二人、風に舞う綿毛をゆったりと眺めた。
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