~第10話~『夏の終わりと浴衣』

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金魚すくいの屋台に向かった。金魚すくいは一回三百円という変わりない値段だ。 「はいお嬢ちゃんたち」 凛、后ノ宮、紫帆、夏野が金魚すくいに挑戦した。 「いくよ~……!ほい……あっ!」 紫帆のポイが破れてしまった。 「まだまだだな。どれ、私が取ってやる」 后ノ宮が自信満々に言う。 慎重にポイを沈め、ゆっくり金魚の下へ。 「よし!あっ!」 金魚は見事に上がったが、入れるのを忘れ、ポイを突き破ってまた水の中に。 まあ夏野と凛も同じだろう……。 そう思った矢先だ。凛、夏野が真剣な眼差しで金魚を捕える。 「うわ!?」 二人の発泡スチロールの水槽は真っ赤で、金魚も身動きが取れなさそうだ。 つうか屋台の人も唖然。これじゃあ商売にならないと思ってるのだろう。
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