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イルカは名簿に目をさらさらと通していく。
「不合格者はなし!素晴らしい!」
クラス全体が歓声をあげる。これまでにどれだけ努力してこの時を待ったことか。
「君たちは、晴れて下忍となった。これからは忍として、班に分かれて行動してもらう。」
下忍3人に対し上忍が1人、計4人の班で行動することになっている。
「第一班、いざよいユイ、うずまきユギト、うちはトア!」
「えっ!?ユギト!?」
「ユイちゃんとだ!」
「…ユギトさんか」
「てか先生ー!試験と一緒だってばよーぉ…」
(言葉遣いも親譲りか…)
イルカはそれを無視すると、読み上げに戻った。
「先生ひどいってばよ…」
「この子たちが、私の担当かあ……可愛い子ぞろいだね。」
「お、お姉ちゃん!」
ユイが驚愕の表情を浮かべる。
「や、ユイ。そんな顔すんなよ。せっかくお姉さんがアンタたちの担当してあげるのに」
時間が凍った。
「え…私…変なこと言った…?トア君…」
「言ってないと思います」
「なんで…こんな雰囲気なんだってばょ…意味わかんないってばよ!もっとこう、明るくいこーう!」
「そ、そうそう、お姉ちゃん、よろしくね。」
「第一班でお姉ちゃん禁止!ぶーぅ!私のことはユウ先生って呼ぶこと!」
「わかったってばよ!ユウ先生」
「なんかな…まあ…いいか」
「よし、じゃあ皆、この額当てを着けて。」
ユウと名乗った女性は額当てを一つ一つ丁寧に渡していった。
「もう、ここに残っている用事もないし、帰るか」
「えっ、もう帰るのかよ!もうちょっと話そうってばよー」
「…ま、そうだね。屋上に行こうか。」
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