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─屋上─
「そうだ、聞こうと思ってたんだけどトア君って…」
「なに?」
「あのうちはだよね?あの事件があった」
「そうだけど、俺は一族のところではなく、親しいおばさんのところに住ませてもらってるんです。──ほら、あそこ」
トアの指をさしたほうに小さな家が一軒建っていた。
「ご両親は?……あっ、ご、ごめんなさい、忘れて」
「いいですよいいですよ。父親は幼い頃あの事件で死にましたが…」
「お母さんはどうしたんだってばよ?」
「一緒に住んだらいいのに。」
「まあ、トア君にも何か事情があるんだろうね。ところで、ユギト君は?ご両親とかは?」
「五代目火影だろー?たしか、九尾が俺にくっついてるんだろ?父ちゃんが俺に封印したんだってばよーぉ」
「!…ユギト君…」
「お姉ちゃん?」
「なんでもない、ユギト君はどこに住んでるの?」
「んーと!あれだってばよ!」
殺風景なアパートだった。
ひとりぐらしか…十五か十四の子供がひとりで暮らしていけるんだろうか。仕事もしながら学校で勉強してたのか?まあいい、そんなに深く考えるな私。
「でも、ユギトって…小さいころのこと全然覚えてないんでしょ?前言ってたよね」
記憶がないのか。なんて子なんだ…なのにこんなに明るく振る舞って…きっと辛い事があったんだろう。
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