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3人の忍が去ろうとした瞬間、ユウのクナイが3人のうち2人に放たれる。だが軽々しく回避され、手裏剣がユウの方向に飛んできた。ユウはクナイで手裏剣を弾いたが、あり得ない方向からの手裏剣には反応が遅れ、顔を防いだ左の手のひらにまともに手裏剣が刺さってしまった。
「…くっ」
忍達が居たところにはもう誰もいなかった。
「くそ!逃がした!」
ユウは手のひらの手裏剣を引き抜くと、そのまま玄関を飛び出した。
(私のせいだ、あの時私が出ていたら違ったの?なんで私が出なかったんだ!ばかやろう!)
左手が痛かったがそんなことは気にならなかった。
(!!…居た)
森の中に入っていく黒装束3人が見えた。そのうちの1人に担がれているユイも見える。
(あの先には…広場があったな…回り込んで不意を突く)
ユウは森の中に広場があることを知っていた。3人がその広場に出ることを見越して不意を突くのがいいと判断したのだ。
─森の中─
「やったな…ひひ」
「まだ終わってないぜ…これからこいつと引き替えにに明日こいつのお姉様に秘宝のありかをきくんだよ…」
「ん?おい、なんだいまの」
3人の頭上を黒い影が通りすぎていったのだ。
「おい!待ちやがれ!」
3人は走りだした。広場の方向に。
「広場!?敵が居るかもしれない、注意しろ!」
広場に出た瞬間、人影が目に入った。
「…その子を返せ!」
「おやおや、お姉様じゃあありませんか」
「上だ!」
「火遁 炎光波!」
(それは分身、本物はこっち!)
ユウの手から放たれる炎光波は一人目の忍の胸を貫き、その忍は前に倒れこむ。
「一点集中型攻撃だな。見たところ火遁使いか、だが、俺は倒せないぜ…ひひ…」
ユイを担いでいた忍はユイを後ろに放り、顔の覆面を外し印を結んだ。赤い短髪が印象深い。
「俺の名はクシル!木遁縛りの術!」
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