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 エティアがこのような、カンナが遠くへ行ってしまうような夢を見ることはよくあることで、二人で一緒に住む前は隣にカンナの姿があるわけでも無かったので、一度目覚めると不安から眠りにもつけず一人でただ夜が明けるのを待ち、早朝からカンナに電話をして無事を確かめると、夢で良かったと安堵したものだ。  情けないな、とエティアはカンナのことを見つめながら小さく呟いた。  カンナはパイロットで兵士だ。  戦争が終わった今でもそれは変わらないので、いつかは空で死んでいくものだと覚悟もしている。  夢が夢でなくなる時もくるはずなのに。  カンナが遠くへ行ってしまうような夢を見ただけで、不安で眠れなくなるなんて。  以前、カンナが大ケガを負った時に言った言葉ーーー。 『カンナは空で死んでいくものだと思っている。だから私は還る場所なんかじゃなく、羽根を休める止まり木で良い』  その思いは変わらないのに、彼の温もりをその頃よりも身近に感じるようになって、欲が出てきたのだろうか。  どんな状態でも自分の元へと還ってきてほしいと思う。
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