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ザワザワ…
ここは都内某駅。人々が急ぎ足で行き交う朝の駅。時刻は通勤ラッシュの真っ只中。季節は夏、7月。おしくらまんじゅう状態の電車内に毎日ストレスを感じる人々。長くて黒い髪をポニーテールにしている女子高生、三室 小夏(ミムロ コナツ)もその内の1人であった。
(あぁああー。ぐるじぃいー…イイ!)
サラリーマンの加齢臭、OLのキツイ香水、汗の臭い、歯を磨いたのか疑いたくなる口臭、誰だか分からない赤の他人との密着状態。
どんなに毎日と言えど、強過ぎる苦痛と言う名の快感に慣れることはなかった。
(あ、こっちのドア開く…はぁはぁ)
唯一の休息と言えばドアが開いたときだろうか。
プシュー―ー。
目的地の駅に着いた人達が降りられるようにドア付近の人達は一時的に降りる。そして、待っていた人達と同じようにまた、季節外れのおしくらまんじゅうを強いられる(小夏の場合快感)電車内に足を踏み入れる。
―ドアが閉まります
階段を焦った人達が駆け下りる。
―駆け込み乗車は危ないのでおやめください
と、言われてるにも関わらず駆け込み乗車をする人達。
(朝は忙しいと言えどルール違反はどうなのだろうか?人の迷惑にはならないのだろうか?)
疑問を感じつつ、自分だったらどうするだろうかと首を傾げる変態女子高生。
「チッ。はた迷惑な話だ。」
その疑問に答えるかのように、変声期をまだ迎えていない綺麗なボーイソプラノが突然小夏の耳に飛び込んできた。
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