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ここはソルダート専用の建物、いやソルダートの城と言うべきかもしれない。普通の巨大ビルと形はさほど変わりはないように見えるが、その規模の桁が違う。
最上階はソルダートを束ねる通称〝総帥〟の部屋だ。その一つ下はメルダーの本部と呼ぶべき場所で、メルダーのトップが指揮をしている〝指揮室〟。
そして、その下が今から向かう〝司令部〟だ。
「カゲト…?」
凛とした声に、カゲトはその歩みを止める。
と、同時にこの道を通ることを選んだ数秒前の自分に後悔と憎しみを覚える。
もし、科学が今よりも発達し、時をかけることが出来る装置が存在しているのならば、真っ先に過去へと戻り、自分を止めていただろう。
それほど、嫌な相手と合ってしまったのだ。
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