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「なぜ逃げるの?」
「…………!?……」
いつの間にか、リンはカゲトを追い越していた。そして、今は目の前で仁王立ちをしている。
カゲトには見えた。
リンの周りを取り囲むようにして浮遊する、悪のオーラというものが。
「…………………………」
「なぜ目をそらすの?」
蛇に睨まれた蛙。
どんなに強い人間でも、弱点はあるという。カゲトはどんなに狂暴なミリタントと出くわしたとしても、彼女に勝る恐怖を感じることはないだろう。
「……………………」
「…………私のこと…嫌い?」
嫌いではない、黙っていれば確実なるタイプの女性である。黙っていれば、の話なのだが。
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