「漆黒のメルダー」

15/23
前へ
/23ページ
次へ
「…………嫌い…じゃない…」 「好き?大好き?」 徐々に顔が近づいてきているのがわかる。そして、若干リンの顔が赤くなっているのもわかる。 鼻先が触れ合うか、触れ合わないかどうかというギリギリでスレスレな状態だ。 「なぁにやってんだぁ?どこぞの新婚カップルですかぁ?ってなあ!ガッハッハ!」 酒の入ったボトルを片手に、酔っているのか赤い顔をして、がらがら声で大きく笑うお世辞でも上品とは言えないこの男。 二番隊隊長〝豪傑〟の二つ名を持った、実力者の一人。酒鬼原ゲンジだ。 二メートルを越える巨漢で、情に熱く筋肉も厚い。黒髪のオールバックと言った便りには力にはなるが頭脳には欠ける男だ。 ちなみに、三十路を越えて、子供はいないが嫁さんにデレデレ状態である。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加