「漆黒のメルダー」

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この二つは町に現れたミリタントを駆逐する特殊部隊〝ソルダート〟に属した〝メルダー〟と呼ばれる者にだけ、所持することが許された武器だ。 そして、当然のごとくこの少年もメルダーである。その証拠に、メルダーの象徴、ペガサスの紋章が刻まれている。 「………… アイツか…」 その少年はダルそうに、視線の先にいるターゲットめがけて、独り言のように呟いた。 五年前の××35年、ミリタントを保管している施設が何者かに破壊され、ごく普通の町にもミリタントが現れるようになった。 ミリタントは、様々な種類と形をしている。 今まで発見されたミリタントの中には、約50㎝未満のものから、10m弱の巨大なミリタントも存在した。 通常は人の形をして、平均160㎝程の人間サイズなのだが、爪が異様に鋭かったり、牙を持ち合わせているものもいる。 特徴としては、人間よりも身体能力が桁違いで、とにかく白い。 髪や毛はなく、まるで人間に白いビニールを被せ、新たに目を入れたような容姿をしている。
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