漆黒のメルダー Pechschwarz Morder

「漆黒のメルダー」

メルダーは通常訓練を二年間行い、それからさらに特殊訓練を三年かけて行ったあとに初めてメルダーと呼ばれようになる。

だが、彼、黒田カゲトはそれをたった二年間で終了し、尚且成績トップでメルダーとなった。

今では隊長クラスにまで上り詰めた。

隊長クラスとは、優秀なメルダーであり、尚且人を纏めることの出来る人材のことを示す。

隊長クラスになると、二つ名と自分専用の武器。そして、自分専用のカラーを所持することが出来る。

カゲトのカラーはもちろん黒、それゆえについた二つ名は〝漆黒〟の二文字だった。

「…………こちらカゲト、目標の破壊を確認。ただちに帰還する」

『ーーーーこちら司令部。了解した、一番隊の人数は』

カゲトは話の途中で電波を遮断すると、自分の足元に見える首のない巨大ミリタントを、ゴミを見るような目で見下す。

「……………」

そしてなにも告げぬまま、カゲトは闇に消えた。