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就活とか決まってない生徒は、学校よりそっちを優先している。
でも私達4人は、もうすでに内定をもらっているのだ。
だからこうして、4人揃う事も珍しくはない。
でも私は、その内定ですらどうしようか悩んでいる。
……一応内定をもらったけど、普通の会社の事務という職業。
就職が決まるなら、本当はどこでも良かった。
……やっぱり “教師になりたい” そう思う自分がどこかでいる。
「ねぇ優陽ちゃん……雨すごいけど傘持ってきた?」
「ううん持ってない。天気予報、晴れだって言ってたもの」
美菜ちゃんも耀君も瑞生君もすでにお昼を食べ終わっていて、空いたお皿がテーブルに置かれている。
その中で一人、食べるのには何か気が引けた。
「ほーら、優陽ちゃん傘持ってないって! ねぇ瑞生君。送ってあげてよ?」
うどんに集中していると、美菜ちゃんが瑞生君に突如そんな事を言い出した。
思わず喉に詰まりそうになってしまううどん。
……美菜ちゃんったら、何て事を言うの?
「俺は別にいいけどさぁ……優陽ちゃんの彼氏に悪いんじゃないの?」
「えっ?」
瑞生君のその言葉に反応したように、私は顔を上げた。
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