涙の理由

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―――…… 私が食堂へやって来ると、いつものメンバーのうちの一人、美菜(ミナ)ちゃんが手を振っているのが見えた。 私は美菜ちゃんに軽く手を振り返すと、食券を買ってうどんを受け取ると美菜ちゃんの元へ駆け寄った。 美菜ちゃんの隣の席には彼氏の耀(ヨウ)君。 耀君の前の席には友達の瑞生(ミズオ)君が座っていた。 この3人が、大学でいつも一緒にいるメンバーなのだ。 私達は大学に入ってからすぐの付き合いだ。 一年の時、美菜ちゃんと私が同じ講義で知り合って、すぐに美菜ちゃんの友達だった耀君を紹介されて、耀君の友達の瑞生君もやって来るようになったという訳だ。 今では誰もが羨む“仲良し4人組”。 そんな“称号”をつけられるほど、私達は仲がいい。 私達4人が仲良くなって暫くすると……耀君と美菜ちゃんが付き合うようになったんだ。 それでも、私達の仲が変わることはなかった。 「……お疲れ様」 そう言った私は、瑞生君の隣の席へ腰を下ろした 午前中は、互いに講義とか受けていただろうから、そういう意味での “お疲れ様” だった。
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