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あれは十五年も前のことだ。
俺は三笠一の切れ者と言われ、なかなかの秀才であった。
まだ、十一になったばかりの頃、俺は三笠山には遺跡があると言う噂を聞き、探検にいった。
そこで思わぬことに、ゆるんだ地盤の上に立ってしまい、落ちた。真っ逆さまに。
木に引っかかって、大怪我は免れたが、気を失ってしまった。
気づいたら見知らぬ天井だった。
「あ、起きたんだ。」
俺はびっくりして、「誰だ」と言い放った。
「ひどいなあ、助けたあげたのに~」
背は俺くらいだろうか、とても甘い声、引き込まれそうになるような瞳、長くて綺麗な艶のある夜のような髪。
「綺麗...」
あ、言ってしまった。
「ふふっ、ありがと」そして可愛く笑う
...あっ、「誰だなんて言ってごめんなさい...」
「大丈夫だよ」
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