第1話

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あれは十五年も前のことだ。 俺は三笠一の切れ者と言われ、なかなかの秀才であった。 まだ、十一になったばかりの頃、俺は三笠山には遺跡があると言う噂を聞き、探検にいった。 そこで思わぬことに、ゆるんだ地盤の上に立ってしまい、落ちた。真っ逆さまに。 木に引っかかって、大怪我は免れたが、気を失ってしまった。 気づいたら見知らぬ天井だった。 「あ、起きたんだ。」 俺はびっくりして、「誰だ」と言い放った。 「ひどいなあ、助けたあげたのに~」 背は俺くらいだろうか、とても甘い声、引き込まれそうになるような瞳、長くて綺麗な艶のある夜のような髪。 「綺麗...」 あ、言ってしまった。 「ふふっ、ありがと」そして可愛く笑う ...あっ、「誰だなんて言ってごめんなさい...」 「大丈夫だよ」
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