第1話

2/3
前へ
/3ページ
次へ
俺の予想とは反し、陰美はこう言った。 「おつかれ、今日はパーティーだね。」 その言葉を聞いた瞬間、俺の目からは小さい雫が幾つも落ちた。 陰美が「大丈夫だよ、陰美が慰めてあげるから。」と... 「怒ってないのか...」そんな言葉が不意に出てしまう。 「ちゃんと、戻ってきてくれたじゃん。」と陰美が笑う 「ごめん。」この八年間、ずっと言いたかった事がやっと言えた。 「ううん、気にしてない、早くいこ」そう言って俺の手を引いて集落に向かう。 八年会ってない間に随分大人っぽくなったな... 好きになった頃は幼さが残る、おしとやかな少女だった。 二つ上だと言うのに、なんだか妹みたいなひとだった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加