~プロローグ~

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「ったくおせえぞ、由夜」 「悪い、綾は?」 「部活らしいぜ」 待ち合わせ場所には綾の姿は無く、天沢がヘラヘラと突っ立っていた。 こやつは悪友の天沢…下は翔というかっこよさがあるが、趣味は二次元、友達はゲーセン…暗い男だ、まあ面白いから一緒に居るんだがな。 顔は悪くないが根が変態だから女の子からは気持ち悪いと酷い言われようでもある。 けど天沢は友達想いだし良いところもあるんだけどな。 「な、なんだ…人の顔じろじろみやがって…」 なんだ、天沢は変に勘違いしたのか、しおらしい表情を浮かべていた。 実に気持ち悪い…これは酷い。 「実は静恵さんが乳が重くて天沢に肩を揉んで欲しい、なんて朝いっててな」 「な、なんと…この天沢翔めに静恵さんが肩を…」 「どうやら恥ずかしそうにそんなことを言ってたから…もしかしたら静恵さんは…」 「由夜、いや我が友よ…スピーチはよろしくな、イヤッホー、今日は乳祭だぁぁぁぁぁ!」 天沢はそんな叫びを上げながら走り去って行った。 単純で扱いやすい男よ、天沢。 あ、そう言えば小テスト帰ってくるんだっけか。 中間が芳しく無かったしこの小テストが駄目なら家庭教師雇うとかなんとか静恵さんが言ってたっけか。 「なんくるないさ、か」 物事はなるようにしかならないからな、これで実際家庭教師を雇ったとして、それはそれで新たな変化ではある。 まったりな俺だし帰宅部スタメンの俺としては、学校行ってまったりして天沢とか綾と遊んだりする日常が合っているのは間違いないけどな。
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