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「ふひひひ、由夜…俺が受けた屈辱を晴らしてやったぜ、静恵さんに由夜は小テスト、ゼロ点だった事実をばらしてやったぜ」
星雪独特なのかわからないが、長い昼休憩中、天沢はそんなことを口にした。
確かに小テストは壊滅していた。
「けど由夜に家庭教師ついたら、あんた静恵さんに会える時間減るのよ?」
「え…………由夜、時を戻してくれないか?」
「そんなこと出来たら小テストゼロ点防ぐわ」
うなだれる天沢を尻目に食事を進める女の子。
鈴乃綾、ツインテの赤髪が特徴的な俺の幼なじみだ。
顔の整い方や可愛さなら星雪学園でも上位に入るに違いない。
まあ胸が無いのと真っ直ぐすぎる性格はたまにきず。
「いったー」
「由夜、あんた今、私を馬鹿にしたでしょ?」
「ちげえよ、ただ可愛いから見取れただけだ」
「な、なに言ってんのよ、馬鹿じゃないのっ!」
頬を赤く染め食事を再開していた。
全く、綾はこういう冗談には弱いからな。
「しっかし家庭教師か…もし本当なら結構だるい」
「な、なんなら私が勉強…見てあげてもいいわよ?」
「部活と生徒会とクラス委員兼任してる優等生にこれ以上負担を強いるのは酷だ、パス」
あ、そう…なんて綾は言ってのけると、弁当箱をしまい、いつものように席を戻した。
「たらし…どうせ家庭教師も可愛いお姉様で毎日エッチな個人レッスン受けるんだろ…変態やろう」
「ちょ、お前、そんな展開は有り得ねえよ。静恵さんが雇うんだからそういう不安要素は取り除いて居るはずだって」
天沢はやはり考えが少し足りない。
アニメとか漫画みたいにそこからなにか発展するなんて有り得ない。
大体勉強教えるだけなんだからそこに恋愛感情は生まれるはずがない。
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