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「由夜、これは本当か?」
天沢がそう言って携帯を見せてきた。
写し出された画像はモザイクは入っていたが、昨日の俺と早紀さんの情事が写っていた…しかも無理矢理みたいな感じになってる。
「なんだ、これは…」
「大型掲示板に貼付けてあったのよ…タイトルは高坂由夜の強姦、で…」
困惑を極める俺に対して悟ったのか、二人は屋上から姿を消した。
綾には足を踏みつけられたけどな。
つまりあの写真が学校に広まりみんなソワソワしていたわけか。
誰があんなことを…早紀さんではない、それは間違いない。
撮影位置的に不可能だ。
つうか事実をしっかりと伝えないとこの状況はマズイよな。
俺に変なあだ名付きそうだし下手したら省かれる、なんてことになりかねんぞ。
これまで組み立ててきた高坂由夜が一気に崩れ去ってしまう。
近付いたら妊娠させられるとかそんなキャラにはなりたくない。
しかし早紀さんは俺が反論することを望んでない…理由はわからない、だけどもし下手な事を言えば嫌われる危険性は充分有り得る。
それは困る、早紀さんと俺は切っても切れない縁で結ばれてるし早紀さんの尻に敷かれ、余生を送る、という長い人生観を既に見越しているわけだからな。
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