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「はい?」
「あら、聞こえなかったかしら。私が沙羅ちゃんに頼んだのよ、由夜くんとわかるよう写真を撮るように、と…それから私が加工して学校の裏サイトに貼付けたの、匿名で。タイトルは高坂由夜の真実ね、ふひひひひひ」
平然とそんなことを言ってのけた、その表情はとても嬉しそうで怖いぐらいだ。
正直ゾッとした…身震いするぐらいの寒いも一瞬味わった程だ。
「な、なんでそんな事したんですかっ!」
「由夜くんには私が居るから他の人間はいらないでしょ?関わる必要が無いわ、あ、でも安心してその分私が可愛がってあげるから」
わけがわからないまま車は家に着いていた。
納得がいかないが、部屋に着くまで我慢した。
着替えを終えると遅れて早紀さんが姿を見せた。
とてもラフというか、下着姿だった。
「こらこらそんな怖い顔しないの…私の性格を承知した上で付き合ってるんでしょ?」
「いやでもこれは明らかにやりすぎじゃ…」
「もし逆らったりしたら由夜くんの人生めちゃくちゃにしてあげるからね?冗談とかじゃないわ、至って真剣よ?」
魅力的な格好なのに俺はあまり興奮できない。
主導権を握られ、あまつさえいじめのような事まで受けている。
どうしてこんな目に合うのか見当もつかない。
早紀さんの事は好きだしちゃんと言う事も聞いてきたのに…。
「落ち込まないの、安心して、由夜くんには一生私が傍に居てあげるから…それにたまには由夜くんのしたい事もしてあげる。なんでもよ、だから友達も親も必要ないでしょ?」
抱きしめられ、耳元そう囁く。
言葉のひとつひとつが脳を刺激し、彼女の舌が俺の耳をはうたびにゾクリとするぐらいの気持ち良さが襲ってきた。
間違いなくこれは悪魔の囁きだ…頷いてしまえば未来はない。
いや彼女と付き合った時点でどのみちこうなる運命だったのだろう。
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