9人が本棚に入れています
本棚に追加
結局俺は流れに身を任せてしまった。
正直、無いなとは思う…俺は乗り気ではなかったが、女に恥をかかすつもりはない。
しかし仮になにか言ったところで聞くはずが無い…俺より年上で頭の良い彼女のことだ、全てを考え行動しているのだろう。
「よし、由夜くん今から遊園地に行きましょ」
「今からですか?彼氏に対して人ならざる行動を行い、あまつさえ俺の精神的に弱ったところに付け込み蹂躙した今からですか?」
思わず口が滑ってしまった。
そりゃあそうだ、早紀さんがいきなり変な事を口にするからだ。
早紀さんは特に悪びれた様子も無く、別段表情に変化はない。
「いいじゃない、気持ちいい事もできたんだから等価交換でしょ?」
「いやそうではなくて…」
「ならこれからはなるべく控えるわ、それに優しくしてあげるから…それでいいかしら?」
早紀さんは満足しているのだろう、満面の笑みを浮かべていた。
理由はどうあれ好きな女が笑っているのならそれでいいのかなあ、なんて思えてしまう。
「それは嬉しいです。俺もしつこく言うつもりはありませんが、さすがにあの加工した画像は削除してください」
「とっくに消したわよ、役目は終えてるから…それより早く行きましょ、今から行けばまだ遊べるわ、パレードも見れそうだし」
早紀さんは俺の鼻先に口づけを軽くすると衣服とシーツを持って先にシャワーをあびてくると言い残して部屋を出た。
早紀さんにとって俺は扱いやすい玩具なんだろうな、多分。
最初のコメントを投稿しよう!