〓遊園地に行こう〓

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「そ、そういう意味じゃないです、早紀さんとは結婚前提だし、あの、か、家族だからやっぱり身内なわけで、そういう意味の身内じゃなくて今の場面は血の繋がりを言ったわけでして…」 彼女の表情に慌てふためき、なんだかよくわからんが自己防衛がフル稼働して勝手に口が動き出した。 だが途中も途中で彼女の人差し指が俺の唇にあてられた。 彼女からは先程の凄みは無くなっていたが、余韻のせいか、まだ怖い。 だってアレだぞ…あんなことされたらもう死ぬしかない、大体人が人にやることじゃない。 「そんなに怯えなくていいじゃない、ね?」 よく言う…明日からの学校だって気まずいようにした上に嫉妬深く、すぐ手を出すキチガイのくせに…。 「よく言いますよ、大体…」 「今日から優しくしてあげる。でもお前の立場を許したわけじゃないのよ?」 俺の言い方が気にくわなかったらしい。 端からみたら抱き合っているように見えるが、実際は背中に爪をたてられていて凄く痛い。 「君は私のなに?簡潔に答えて、間違ってたら大変な事になるわよ?ふひひひひひひ」 そう言って首筋に噛み付いてくる。 傷みよりも彼女の笑い声の怖さの方が何倍のヤバイせいで痛みを痛みとしてまだ脳が受け取っていない。 「………恋仲であり奴隷、です」 「そうね、そうよ。だから私が優しくするのと由夜くんが私に気遣いを無くすのはイコールにはならないわよ。お前は私の物、君の全ては私の物…わかった、由夜くん?」 激しく首を縦に振った。 満足したようで、最後に俺の首筋を思いっきり吸い付いて再び手をとり歩き出した。
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