6人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
外で待つつもりが、庭掃除をしていた綾のお母さんに見つかり中に招かれ今に至る。
静恵さんとも母さんとも違い派手な格好をしている。
年齢を感じさせない容姿でとても一児の母には見えず長い髪が魅力的な女性だ。
なにより胸が大きいので強調するような服を着ているのも反則的だと俺は思う。
名前は教えてくれずお母さんと呼んでいる。
まあ表札に敬子と書いてあるから知ってるのだけどそこはいいだろう。
「さて、今日は綾をヤル気ね?」
「ごほっごほっ…な、なに言ってるんですかっ」
ニヤニヤしながら俺を見ている。
この人はなにを言ってるんだ。
「照れなくていいのよ、それに私も俊介も見逃すわ」
「だ、だから俺はそんなつもりなんてないですって」
ど、どうしてこうなる。
俊介ってのは綾のお母さんの夫。
サラリーマンで、カッコイイ人だ…よくしてもらっている。
「綾は間違いなく由夜くんのこと大好きなのよ。私に似て素直じゃないからガンガン攻めないとだめよ…俊介はそうして私を物にしたんだから」
「そ、そうなんですか…いやだから俺はそんなんじゃないです」
絶対逆だろ…俊介さんは普通に尻に敷かれてそうだし綾のお母さんがガツガツいったに違いない。
それが明らかなのは数年前に綾の性が鈴乃に変わったことだ。
綾のお母さんが柊より鈴乃の方が風水的にいいみたいなことで、綾は柊から鈴乃に変化したのだ。
「綾はいっつも由夜くんの話をするのよ。大丈夫よ、もし子供ができちゃったら俊介が雇ってくれるから」
「な、なななな…なにいってるのよ、お母さん」
真っ赤な顔をした綾の出現で事態はようやく収拾した。
ふぅ、助かった。
最初のコメントを投稿しよう!