~第二章・変化する日々~

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帰り際に頑張ってね、鈴乃由夜くんとか言われた。 婿入りかよっ、とかツッコメない俺はまだまだガキか。 「お、お母さんが言ったのは全部デタラメだからね、勘違いしたら怒るからね」 「勘違いもなにも綾が俺を好きなわけないじゃん」 「はあ、本当にあんたってなんなのかね?」 存在を否定されたっ、何故だ…。 それにこの荷物の量はなんだ。永住する気なのか、綾は…。 リュックに鞄二つを持ちながら歩いているが、綾は気遣ってくれたみたいで、バランスを保つためと彼女の学生鞄と俺の鞄を首にさげてくれた。 ありがとうございます。 「で、なにかリクエストはあるの?」 「う~ん、ない」 「なにその態度…不満でもあるの?」 「体感だけど総重量20キロ以上の荷物を持たせられてる人間に不満がないと聞くのがおかしい」 「あんたが持つって言ったんじゃない…それともなにそんなのも持てない軟弱者なの?」 確かに持つと言った…女の子に荷物持たせて男が持たないなんて状況に俺が堪えられないからだ。 いやでもさあ買い物もするのだから仕方ないとは思うけど…やめよう、無心だ、俺。
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