~第五章・旅行でも行こうか~

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「由夜、旅行に行くわよ」 「夜中じゃねえかよっ」 わけがわからない、丑三つ時に起こされた…俺はこのぐらいのツッコミをしても許されるだろう。 綾は顔を真っ赤にしていた。 「き、昨日言おうとしたら…ゆ、由夜が…」 「はあ…で、どこに行くんだ?」 「生徒会で親睦を深めるために会長が言い出したのよ。ち、ちなみに由夜と私は同じ部屋だけどエッチなことしたら殺すからねっ」 「わかった、なにもしないし離れて寝るよ」 あー面倒だ、この時間に起こされたのは用意とかする時間の為だろうな。 土日だし服と金ぐらいでいいか。 「水着とかいるのか、よくわからないけど…え?」 同じく用意しているだろう、綾に視線を移すと泣いていた。 俺としてはな、なんで状態だよ。 「ご、ごめん」 「許さない…馬鹿、馬鹿由夜。もういいもん…旅行も行かないっ」 「ちょいまて」 ぐっと手を掴んだ、なんだ、なんなんだ。 あれか、なにもしないとか言ったのがまずかったのか。 とりあえず抱きしめてみた。 あぁん、柔らかいよお。 「綾、ごめん。その、俺鈍感だからよくわからないんだ」 「し、知らないわよ…でも普通彼女が好きでたまらないなら殺されてもいいからエッチなことするぐらいの気迫みせるものよ」 なんか、おかしいな。 綾の価値観がなにか違うような気がしてならないが、わかったと呟いてみた。
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