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おかしい、先程から何故だか俺が剣を突き刺すとおやじが飛び出してしまう。
俺のこの欲望に満ちた気持ちが、負けを呼んでいるのか、ええい次だ次。
「はああああ、せいやっ」
ぽよん、と当然のように飛び上がるおやじ…何故、だ…先程からワンターンキルをくらい続けている。
「ぷっ」
「なに笑ってんだよ。大体飛び出したら負けとかお前のルール通すなよ、貧乳…や……ごぽっ」
「調子に乗るなっ」
良い感じに腹に入った綾の拳。
口の中に胃液が登ってきたのか、すっかい臭いが俺を不愉快にした。
「どうせロクでもないこと考えているんでしょ…勝ったら私に…エ、エッチなことしようとか」
「いやそういうことは頭にはない」
「………」
声にならないような声をあげ更に良いのを二、三発。
リベンジをしようとしたが、そろそろ時間だ。
荷物を持って家を出た…無論綾の荷物も俺が持っているぜ。
「早くしなさいよ、バカ」
「蹴るな、お前の荷物が重いからだよ…なに入れてきた?」
「別に普通よ。えっと服、化粧道具、救急箱、タオルケット、レーション、缶詰、カッロリメイト、懐中電灯、寝袋とか色々よ」
「あれか、キャンプか、お前はキャンプに行くんだな?」
「違うわよ。仮に私と由夜が旅行中遭難したりしたら大変だからよ」
用意周到すぎるだろ。
つうかドラマとか漫画のような、ロマンチックな展開を望んでいるのか、この生娘は…。
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