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「すぅー、高坂くんって良いニオイがするよ」
「ありがとう?いやそうじゃなくてさすがにしがみつかれるのは勘弁してください」
やんわりと口にしたつもりだが、相手としてはもしかしたら不愉快にさせるような表情をしていたかもしれない。
実際困る、俺には綾がいる…ただでさえ裏切るような行為を重ねてきただけに、もう後がない。
「照れ屋さんなんだね、高坂くんって」
「そうでもないと思うけど」
俺の態度は特に気にならないらしいが、離れてくれて助かった。
「一緒に回ってくれるのは有り難いけど過度なボディータッチはNGで」
「なんで?だって高坂くんって合コンみたいなこの集まりにきたんでしょ?喜ぶところなんじゃないのかな?」
意味がわからない、そんな表情を出されても困るけど、さすがにここに来てる時点で彼女持ちとかは言えない。
馬鹿にされてるとも思われかねないからな。
「やっぱりさ、順序を踏みたいよ、俺は…こうみえて誠実真面目が俺の長所だからね」
「ふ~ん、私は違うかな。学校とか家で良い子にしてる分、こういうところなら弾けても良いと思うけど…まあいいわ、とにかく全アトラクション制覇から始めようね」
早速まるで俺の話しを聞かない西園寺さんは、俺の手を取り駆け出した。
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