4人が本棚に入れています
本棚に追加
「な、なんだとっ!」
「どうしたの?」
「ごめん、もう君とは遊べない、つうわけでまた今度機会があったらっ!」
「ちょ、ちょっと高坂くんっ……ふっ、でも今はいいか」
俺は新着メールを読んだ瞬間本能的にこの場から逃げ出していた。
下手したら死ぬ、良くても怪我する。
べ、別に悪い事はしてない、きっと話あえば…無理だ。
メールは天沢からだった、内容は酷い、唐突に現れた綾に彼氏をたぶらかした罪で公衆の面前でボコボコにされ、全部話してしまい、俺を捕獲する為に鬼ごっこを開始したらしい。
しかも生徒会もあったのにバックレかました、という名目で会長の篁さんや鞍馬さん、一樹さん達も参戦しているみたいだ。
詰んだ、篁さんの体育祭での活躍をみたが、あれも沙羅と同じで人外の枠に入る。
生徒会に関しては伝達ミスだ、俺は聞いてない。
「見つけた」
「は、はは、奇遇だな、綾、こんなところで…」
ユニホーム姿、むき身のラケット…今度ユニホーム着せてやってみたいな…じゃなくて。
無表情、虚ろ…コイツ、完全にやる気だ。
「由夜、明日からなんにもできないように前をラケットで潰そうか?」
「つ、つつつ、潰したらお前もつまらなくなるぞ、この先」
「それより先に殴りたいわ、とにかくこのイライラを解消しないと…」
話が噛み合いません、だめだ、人間らしく話し合いに持ち込みたかったが、許されないみたいだ。
だが甘い、俺の足はなかなか早いぜ、綾ぐらいなら振り切れる…どうせ家であってやられるけど、今は逃げたい…心の準備をしたいんだ。
不意をつくように後ろを向いて駆け出す…確かこの道を曲がって真っ直ぐ行けば出口だ、そうすりゃあ俺の勝ちだ。
「おっと、由夜…そう簡単にいかないぜ?」
ラスボスの次はイケメンか。
しかし先程の綾に比べれば怖くない、なんとかなる。
最初のコメントを投稿しよう!