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なりませんでした、左右からは会長と鞍馬さんが駆けてきていた。
咄嗟に来た道を引き返す案が生まれたが手詰まりだった。
「ほら、捕まえたっ!」
「ひ、引っ張らないで痛いから」
ガクン、と視界が揺れたかと思うと、既に近くに居た綾に首根っこを捕まれていた。
母さん、父さん僕はどうやらここまでのようだ、今までありがとう静恵さん。
「まあ待て綾、ここで由夜を恐怖で縛り付けるのは確かに簡単だ、しかし多勢に無勢、少し可哀相だ」
会長、さすが生徒会長だ、俺も投票したかいがあるってもんだ。
「とりあえず学校に戻り業務を終わらせよう、夕方までには終わるはずだからそこからやることを決め実行しよう。由夜、お前はサボった罰としていつもの数倍働かせるからな」
代償はデカイようだ。
綾は舌打ちをして俺を解放すると、今度は俺の手を取り鞍馬さんや一樹さんのように会長の後を追う。
「由夜、帰ったら私の言う事に従ってくれるかしら?」
「はい、なんでも従います」
なにをされるのだろう、恐怖しかないけど…それより学校でなにをするかな。
俺ができることなんて力仕事とか簡単な計算ぐらいだ。
生徒会の仕事事態まだ全然把握できてないし俺がするのは綾と校内を見回るぐらい。
「つうか生徒会の仕事あるなら朝にでも言ってくれればよかったんじゃないか?」
「由夜が聞いてなかったんじゃないの?」
「あ、そ、そうだったな、ごめん」
俺はこれから泣きながら綾のおっしゃる通りに行動するしかないみたいだ。
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