第十五章・幼馴染み

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「テメェ、ふざけんじゃねえぞっ!!」 通学途中、いきなり胸ぐらを掴まれた。 普通ならキレるか、助けを呼ぶとか説得するだろうな。 「はぁ、なんですか?」 「昨日のあれだよ、確かに綺麗な人だったけど俺の洞察力を持ってすれば簡単に看破できた。あれはニューハーフだった、間違いないんだよ、ちきしょうめええぇぇぇぇ」 な、なんという必死さ。 俺は天沢と彼の仲間達にちゃんと契約通りに事を成した。 沙羅も泣くまで待とう的なスタンスなってくれたし俺の学園生活は落ち着いたといえるから、そっちを終わらせたわけだ。 風呂、覗き、合法。 知り合いに頼み最初の二つはなんとかなった。 一時間という限定的なものだったし学食数回分で交渉成功。 最後はパソコンで募集してなんとかなった。 エキストラ、一人五千で一時間、十人限定とかこんな感じだ。 他にも色々条件はあったけどまあ集まったのはニューハーフだけだった。 けど見た目もニューハーフとはわからないから大丈夫だと思った結果、天沢は気付いたのか。 「んだよ、約束は守っただろ。心は女みたいな人も居たしなにより綺麗だったじゃん。お前以外からはメールで感謝されたし満足だって言われたよ。大体こんな事他の奴もマジに取ってなかったしラッキーだったとさえ言われたよ」 「ふ、ふざけんな。俺はいつだって本気なんだよ、魂かけてんだよ。こうなったら俺に彼女ができるのに協力しろ」 「お前に上から目線でやられると発狂しそうだ。哺乳類の雌ならセーフか?」 「うーん…………それじゃあ動物とかもありになるじゃねえかよっ!女だよ、人間の女のぬくもりがほしいんだよ、俺はっ!!」 こういうところが駄目なんじゃないか。 目が血走り今にも殴りかかってきそうな勢いだ。 ここでまたちゃかせばきっと喧嘩になる。 負けるとは思わないけど今回は俺が悪いし仕方ないから付き合ってやるか、たまには綾以外の付き合いもないとな。 「しょうがないな、まあとりあえず今日の放課後からやるか」 「やはりお前は俺のバディーだっ!!おお、心の友よ!!」 抱きつこうとする天沢を受け流し早速このぐだらなく絶対に成功しない事について思考を巡らせた。
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