第十五章・幼馴染み

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「では俺が入手した情報から作戦を建てようか」 「ほぅ、さすがは由夜、もう既に考えていたとは恐れ入ったぜ」 放課後、綾に事情を説明して天沢の家に来ていた。 幾度となく確認されもしなにかあれば会長が力を貸してくれるみたいだから気をつけてね、とか言ってたな。 疚しいことはない。 俺も綾もそうだが天沢に彼女が出来るのは喜ばしい。 ひた向きに頑張っているのはわかっているつもりだ。 「まず情報をまとめるとお前は顔はまあ普通だ、体型も別に普通だ。ただ性格がなんかあれだからクラスの女子はお前を気持ち悪がっている」 「くっ、だがつまり性格を直せばいけるってことか?」 「うん、でも簡単なことじゃないな。まずはここにある人形とか全部捨てて生まれ変わろうぜ」 天沢にはいってないが、日頃からの行動のせいで星雪学園の大半の女子が天沢を軽蔑している。 まあ仕方ない、天沢はブスにキツく美人には気持ち悪くなるし…。 「ほ、他に方法はないのか?それは出来ない。確かに俺は生身の女が欲しいけどみんな家族なんだ。気持ち悪いかも知れないけど家族なんだっ!」 「じゃあもうねえよ」 「早っ!つうか楽しんでるだろ?」 「なら整形するか?イケメンなら痴漢しても大丈夫だし二次元のオタクなんです、とかも可愛いとか意外で持て囃されるって綾がいってたし」 「俺は俺だぁぁぁぁぁぁぁぁ」 なにかのアニメの台詞か知らんけどポーズ決めて叫んでやがる。 こういうところだ、間違いない。 俺も少し殴りたくなったし。 「なら正攻法のナンパか」 「最初っからそれでしょっ!はぁはぁ」 息を切らしてどうしたんだ、コイツは……当初からの予定はこれだったし。 数打ちゃ当たる、そんな言葉もある。 それにしても今のままでは絶対に失敗する。 俺も本来ならナンパなんて知らないし相手の心を掴むなんてできないけど、一樹さんに色々教えて貰ったからいける。
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