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良い朝を迎えた……が気分は憂鬱だ。
一緒に風呂にと誘われたが断った。
まひるちゃんは本当に悲しそうな表情をしていたがどうしようもない。
寝るときもそうだ。
彼女は抱きついてなかなか離れなかったが、基本的に夫婦でも一緒に寝ないと説明して彼女とは別々に寝た。
これでいいんだ…これで……。
まひるちゃんの寂しそうな顔を頭に何度も再生させるがそれは仕方ないことだ。
それより良い香りがする。
いやすぐに気付いたが憂鬱な気分が先行した。
まあ俺は無理矢理押し入れで寝たからな。
「あ…兄ぃおはよう。」
「う、うんおはよう。」
目を擦りながら洗面台で顔を顔を洗った。
よし思考が覚めた。
由佳ちゃんはまだ寝ているようだ…そう言えば昨日の夜はずっとPCいじってたな由佳ちゃん。
とりあえず着替えてテーブルに座る。
スクランブルにパンか…悪くない。
むしろ完璧だ。
「ごめんね…また作らせちゃって。」
「ううん。それより兄ぃ……チューはしないの?」
「しないよ。夫婦だからってあんまりしないよね?」
「………………うん。」
まひるちゃんは俯きながら小さくそう言った……。
これでいい……まひるちゃんはまひるちゃんで人生がある。
いまから男を俺なんかに絞るのはよくない。
まひるちゃんももう少し成長すればわかるはず……だから俺は彼女の兄になってあげればいい。
俺はスクランブルとパンを足早に食した。
「じゃあまひるちゃん俺先に行くよ…今日は宿題もあるし……鍵は玄関においてあるから戸締まりお願いするね。」
「うん…いってらっしゃい……。」
俺はさっさとバイクに乗りエンジンをかけて出発した。
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