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「まっ、これでわかったでしょ…つうわけで私はここに住む……ちょっと。」
寂しそうな笑顔をみせる由佳ちゃんを思わず抱きしめてしまった。
なんつうか気持ちがわかるとかそんなふざけたことを言うつもりはない。
のんびり生きてきた俺にとってはそんな辛さをわかるわけがないし…。
「由佳ちゃん…ごめん。」
「は?意味わかんないんだけど…。」
「俺は由佳ちゃんじゃないから由佳ちゃんの苦しさとか悲しみはわからない…でも分かち合うことはできるよね…一緒に住むんだし…それはつまり家族になるわけだから。」
なんとも口下手な自分がにくい。
「へえ~……ありがとう真一郎…覚えておくわ。」
どうやら少し気持ちが伝わったみたいだ。血の繋がりだけが家族じゃない……こういうのも家族……。
「由佳ちゃん?」
俺が気持ちを整理してると由佳ちゃんは突然触れる程度だがキスをしてきた。
まひるちゃんは甘い。由佳ちゃんは薔薇のようなと……じゃなくて。
「あんたは優しいわ。まあ今のはお礼よ。」
良い表情になった由佳ちゃん。可愛いな…うん素直にそう思える。
そして玄関から聞こえるとぼとりと落ちた音。
「「ああーー。」」
買い物組の2人が帰還されたみたいだ。
察するに今のをみられたらしい。
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