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着替えが終わりリビングに戻るとまひるちゃんは寝室に布団を敷いていた。
由佳ちゃんはなんだかリビングに座り込み黄昏ている。
やはりやりすぎた。
「今日はなんだか疲れたし早く寝ようか。」
「うん、まひるも眠い。」
敷き終えた布団に早速入るまひるちゃん。
「由佳ちゃんは寝ないの?」
「………。」
返事がない…ただの幼女だ。
非常にマズいけどなんとかなるさ…うん、なんとか…。
「由佳ちゃん。」
「ひゃあー。」
肩に手を置くとそれだけで由佳ちゃんは悲鳴を上げた。
なんだかこれは新鮮味がある。
「さっきから呼んでたんだよ。一緒に寝よう。」
「う、うん。」
ここまで露骨に丸くなられるとなんだか可愛くて仕方がない。
9:1が一変して1:9になるこの感動。しかしデレデレというわけではない。僅かに残るツン要素が自分の感情を否定しようとしてツン口調もしく反抗的になる。
だがそこがまたなにかそそるものがある。単にデレデレというならまひるちゃんみたいに直接的に表現してくれればいい。しかし由佳ちゃんは違う…直接的にはできないから遠回しにもしくはわかりやすくしてくる。だから俺のいきなりの行動に対処できない。もしまたあんな行動を俺がしたらまた由佳ちゃんは無口になるだろう。それはもういい。
俺は由佳ちゃんに素直になることを望んでいるのだろうか。ツンデレヒロインがツンツンしながら告白とかツンツンしながらもなんとか甘えてくるさまは最高じゃないだろうか。
そう考えると直接的なまひるちゃん、冷静なそよかちゃん、ツンデレ担当由佳ちゃん……揃ってるじゃないか三幻神が…。そよかちゃんはなんつうか大人びてるような気がする…まひるちゃんに近いものがあるけどまた違う良さがある。
「真一郎?」
由佳ちゃんの声にようやく現実に帰った俺でしたと。
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